【ネタバレ感想】キカイダーREBOOTを見てきました！

2014.05.25
雑記
【ネタバレ感想】キカイダーREBOOTを見てきました！

どうも、おぶいです！

昨日の5/24から劇場版「キカイダーREBOOT」が公開されましたね！
色々と迷ってはいましたが、僕も見に行ってきましたよ！

しかし、その時スクリーンに映し出されたものは、僕の想像を超えていました……

※今回の感想はネタバレがあり、且つ批判的な内容ばかりです。閲覧にはご注意下さい。

見に行く前の個人的な感想

そもそも、何故この時代にキカイダーを？というのが第一印象でした。
特にリメイク作品に関しては媒体は違いますが「人造人間キカイダー THE ANIMATION」という素晴らしい作品もあります。
「そもそもギターを背負った少年(または青年)のスタイルが現代に合うのか？」
「あの昭和の時代背景だからこそではないのか？」
などなど思うところがありました。
何せ現代では姿が変わったり空を飛んだり宇宙へ行ったり時空を超えたりするヒーローが多数存在します。
そんな中でデンジエンドしか技が無く、特に目立った武装も無いキカイダーが受けるのか？という想いでいっぱいでした…(最終的にはブラスターも増えますが)
しかし、逆に「でももしかしたら全く新しいキカイダーが見れるのではないか？！」という期待感もありました(´ε｀；)
では、いよいよ本編の感想です！

ストーリーが矛盾ばかり

もう最近の特撮映画を見てる皆様においては「何を今更」と思われるかもしれません。
自分もそう思っています…しかし、それでも頭にクエスチョンが相当出るくらいの矛盾があったように思います。
そもそも、この映画は子供向けなの？それとも大人向けなの？
そこが最後までわかりませんでした……しかし、今回は以下の理由から大人向け特撮映画として感想を述べます。
・キカイダーという作品のリメイク、そして昔のままのテーマとデザイン
・全体的な作品作りと雰囲気
そんなわけで、まず思うことはARKプロジェクトは結局何がしたくて、そしてDARKって結局なんなのさってところです。
そして何より光明寺ファイルで何がしたかったの？というところ(´ε｀；)
ARKプロジェクトは機械による人命救助や介護などを目的としたものだという事は本編で何度か語られてましたし、それを上の方々に隠しながらこっそりDARKとして軍事目的の機械を作っていたんだよ…というところまでは本編を見ていて把握したつもりですが……
マリという戦闘能力がすでに完璧なものを造っておきながらハカイダーを造ったり、マサルくんを捕まえるためにわざわざ特殊部隊やグレイサイキングを引っ張りだしてくるなど、その手法が意味不明すぎました(；´Д｀)
一応グレイサイキングに関してはキカイダーというイレギュラーが出てきたからその対処として解き放ったんだと思うのですが、それにしたってあんな狭い屋上で出撃させて目立ちすぎやしませんか…どうやらこの映画の世界にはスマホも普通に存在してたのでTwitterに画像アップされてすぐ拡散しちゃうよ！

ハカイダーの存在理由

今回、一番の疑問点でした。
ハカイダーと言えばクリアパーツの頭に脳みそが入っている特徴的なデザインですが
だからってそのデザインに付随するような設定やストーリーにしなくてもいいと思うんです
どうにもパンフレットにある村枝賢一さんのインタビューを見るに、ストーリーを作る前にデザインが制作されたみたいで……そして、その村枝賢一さんのデザインは原作を踏襲するもの……僕としてはそれによってハカイダーの存在意義がブレてしまったように思います。
原作の「光明寺博士の脳を人質にし攻撃させない」という目的でもなく、01のように「体が使い物にならなくなったからギルがハカイダーのボディに脳を移植した」という目的でもなく、「俺の凄さを見せてやる～！」と言わんばかりにギルバートが自分の脳を移植して動いてたのは違和感しか無かったです。
むしろ、「ここを攻撃されたら死にますよ的な弱点アピール」に見えました(´ε｀；)
確かに今作のギルバートは杖をついて体が不自由そうな描写は度々ありましたが、「こうなったら永遠に動けるロボットの体を！」という描写も無い上に、前述の完璧な性能と自賛してたマリもいるんだから遠隔操作ロボットでいいのではと思ってました…
おかげで研究所壊したりキカイダーと戦うシーンも、どうにも薄っぺらい印象になってしまいました。

キカイダーの変身ってなにさ

本来の姿はジロー？それともキカイダー？
解釈の仕方は色々かもしれませんが、僕はキカイダーがジローという人間の姿に擬態していると思ってます。
今回パンフレットにも「キカイダーと呼ばれるバトルモードが本来の姿」と記述してあります。
実際、屋上で初めてキカイダーが現れるシーンでは多数の銃弾を背中に浴びると攻撃された部分の人間の姿が剥がれていくような演出がなされてました。
しかし、その後マリとの戦いの際に腕をもがれて倒れた時に何故かジローの姿に戻って機能停止してました
なんで戦闘は続行できないのにナノ結晶ディスプレイの機能は動くんですかね(；´Д｀)
あと、片腕もがれてよたよた歩くジローくんの胴体がものっそい太くなってるのがずっと気になってました

戦闘シーンのライティング

とにかく戦闘シーンが暗い！灯りがない！
もうほんと暗いんですよ！
最初は暗いシミュレーションルーム、次に夜の屋上、そして暗い倉庫、そして夜の廃墟、そして地面突き抜けまた暗い倉庫みたいな場所…そんなに造形をはっきり見せたくないのか！？
僕は視力が悪いので正直すっごい見づらかったです…仮面ライダーファイズのような電飾、パシフィック・リムみたいな発光やビルの灯りなどがあれば夜の戦闘シーンも大歓迎なんですが、キカイダーは額しか光ってないしハカイダーに至っては発光箇所なし…ハカイダー真っ黒だし(´ε｀；)

ここからは機械的にいこうか

決め台詞かと思ってたこのセリフは本編で一回しか使わなかったぜ！
まさかの展開でした…むしろ「僕の体止まるまで、君たちを守るよ」ばかりでした…しかも、そんな事言いながら最終的にはみんなを守りたいとか言い始めてミツコさんドン引きだったで…

デザインはもっと崩してほしかった

今回のデザイン担当は僕の大好きな村枝賢一さん！
ただ…なんというか…原作に思い入れがあるのも十分分かるのですが…
いくらなんでも、原作デザインそのまんますぎませんか(；´Д｀)
ハカイダーに至っては頭身が変わったくらいで全然昔と印象が変わりませんでした…
もちろん昔のデザインの良さはあると思いますが、せっかくリメイクするわけだしこれもうキカイダーじゃないじゃん！って言われるくらい壊してほしかったです…
雨宮慶太さんのハカイダーは本編はアレですが(でも個人的には好き)デザインはかなり原作を保ちつつ良いアレンジをしていたと思います。
あと、これを言ったらいけないのかもしれませんが、今回のデザインは村枝さんの漫画とストーリーならめちゃめちゃ映えると思うんですがあまり実写映えはしないように思います…
今後01を作る時は、もっとぶっとんだデザインなら良いなぁと思うばかり(ちなみに村枝さんの中では01のデザインは既に出来上がっているとか！)

スーツ造型について

これはかなり丁寧に作られていたのではないでしょうか！
ただ……仕方ないとは言え劇中で何度も肩やら胸やらがベコベコへこみます
ハカイダーとの最終決戦でキカイダーの胸を何度もハカイダーが殴りつけるシーンで、キカイダーの胸がすんごい凹んでいってたんですが、最初は「これは強い力を与えられ金属が凹む表現なんや…」と何度も自分に暗示をかけながら見ていましたが、3発目くらいから胸の凹みがじょじょに戻っていくのを見て自己暗示の限界に達しました(´ε｀；)
そしてハカイダーも水たまりに転げるシーンで肩パーツがぐんにょり曲がっており、「さっきまで殴られたりぶつかったりですごい金属音がしていた部分がこんなにフニャフニャに…」と僕の心までフニャフニャにされました…

登場人物に感情移入ができない

マサルぅぅぅ！お前の事だよォォ！！
おねえちゃんの言う事ぜんっぜん聞かなかったくせに最後の最後でお姉ちゃんに怒りながら説教してんじゃないよおおおお！子供だからってよおおお！だっふんだじゃねえんだよおおおおお！
ミツコさんもジローに対して好印象を持ってるようなシーンが少ないにも関わらずそのマサルくんの説得で留学のバスに乗らずに服部さんとバイクで向かうし、気の変わり方早すぎぃ！！
その上、そんなミツコさんは最後にボロボロになって機能停止するキカイダーを抱えて大きくなったらお父さんみたいな人になってキカイダーを直すんや！という某ドラえもん最終回同人誌のような誓いを立てる始末
ミツコさんがどれだけ頭がいいのか海外留学するって話くらいじゃつかめなかったっす…
あと、ジローのギターの意味もよく分からなった…光明寺博士がインプットした趣味の音楽がYMOならキーボード持ってる方が良かったのでは…
あと「志村ー！うしろー！」のシーンで笑っているお客さんは一人もいませんでした…／(^o^)＼

光明寺博士は鬼畜眼鏡

な、なんで息子の体にマイクロSDカードみたいなの入れてるんですかー！
めっちゃ危ない事を……
一体どういう経緯であの光明寺ファイルをマサルくんの体に打ち込んだのか気になってしょうがないっす…

結局何がしたかったの

光明寺博士が事故死し(正確にはギルバートの謀殺)、その光明寺博士が残した光明寺ファイルなるものを得るために政府は光明寺の娘と息子のミツコさんとマサルくんを追いかけ回す…
ジローが途中でミツコさんたちの助けに入り、一生懸命守りながら逃亡するんだけど、途中で送り込まれたマリによりキカイダーは敗北、ミツコさんは「ついていくからジローを壊さないで」と言ってマサルくんと一緒に連行される。
そしてマサルくんは摘出手術で光明寺ファイルを体から出され、そのあとは何事もなく解放してもらう
あ、あれ……別にキカイダーが守ったり逃したりする必要無かったんじゃ…
一応光明寺博士からの言いつけだから守ってたんだけど、光明寺博士もそこまでするくらい大事なファイルならもっと別の場所に隠せばよかったのに…というか息子たちに危険が及ぶよりファイルの方が大事とか子供思いに見せかけたとんでもないサイコ野郎というように見えてしまいました(；´Д｀)
しかも、その光明寺ファイルを手に入れた政府の人たちは「やったー！これで光明寺の案でプロジェクトが進められるぞー！」と喜ぶばっかりで結局そのファイルがなんなのかも分からず、激おこになったギルバート＝ハカイダーに研究所はぶっ壊される始末…
スタッフロールの途中では続編もあるぞ！みたいな終わり方をしていたので、そこで色々と説明されればいいなぁ…もしくはいっそのこと仮面ライダーTHE NEXTみたいに全然別の展開でもいいよ！

まとめ

そんなわけで、正直なところ感動もなく興奮もない映画でした…
ただただ、ダラダラと触れ合いパートと戦闘パートを繰り返すだけ…しかも最初に触れたように必殺技らしいものもデンジエンドくらいしか無い上に超電子ウルトラサイクロンみたいなとっておきの自爆技みたいな扱いだったので戦闘の派手さもなく…
良かったといえばサブキャラの役者さんがベテラン揃いで、服部さんもなかなかいいキャラしてて好印象の癒やしポジション、あと最初のグレイサイキングとの戦闘でスコープドッグみたいに滑走しながら移動してるような戦闘シーンはすごいカッコよかったです！でもそれだけです
それ以上になんとも言えない部分が目につきすぎて…一生懸命作った映画なのも分かるのですが…続編をやるにしても全然期待できません…
こういったリメイクものは実は大好きなので、それゆえに悲しい思いをしてしまいました…